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Perspective

変革期の自動車保険業界 自動運転への一方通行(第二部)

May 27, 2015| By Charlie Kingdollar | P/C General Industry | Japanese | English

このブログの第一部では、技術の躍進によって自動運転自動車が、保険業界の多くの予測よりも早い時期に発売されると提示しました。自動運転自動車の到来に伴い自動車所有の減少、そして自動車事故の頻度と深刻度の減少が予想されることにも言及しました。

保険業界は自動運転自動車の登場を待つことなく、自動車事故の頻度および深刻度の低下という傾向を経験することとなります。昨今のモデルに見られるドライバーアシストシステムのイノベーションの数々が既に大きな変化をもたらしています。

Insurance Institute for Highway Safety が2008年および2009年産の自動車と2011年以降に生産された自動車での死亡事故率の比較を行いました。これによると、2008/2009年産の自動車での死亡事故発生率は100万台につき48件だったのに対して、2011年以降に生産された自動車での数値は100万台につき28件と、実に43%もの減少を示しており、その要因として新しいドライバーアシストシステムのイノベーションの数々が挙げられています。

以下の例を含むドライバーアシスト新技術が車両に搭載され始めています。

  • 衝突回避技術
  • 死角アシスト
  • レーンアシスト
  • 自動速度調整
  • 車の速度を制限するキー


自動ブレーキと連携して作動する前面衝突回避は既に様々なモデルに搭載されています。Ron Actuarial Intelligence の研究によると、衝突回避システムの利用により事故発生頻度を44%低下することができるという結果が出ています。Highway Loss Data Institute によれば自動ブレーキと連携されている前面衝突回避システムによりメルセデスおよびアキュラのいくつかのモデルでは対物損害保険金請求がすでに14%低減 されたとのことです。これらのシステムでは一方のドライバーが、衝突した他方の車の乗員に傷害を与えた時に発生する対人損害保険金請求がメルセデスでは 16%、アキュラでは15%低減されています。さらに良好な結果を見せているのはボルボ XC60SUVで、同保険金請求で33%以上の低下が報告されています。

半径270メートル以内にある他の車両との通信を可能にする車車間通信(V2V)が搭載された自動車数が日々増加しており、連邦規制当局は、2017年モデルへのV2V搭載義務付けを検討しています。完全自動運転車が路上を占める時代を待つことなく、V2Vイノベーションが76%の自動車事故を防止することができることが予想されています。 ミシガン州のアナーバー近郊では1年以上車車間通信を搭載した車両がパイロットプログラムの一部として走行しています。

ヘッドライトなどほんの一部の技術向上だけでも事故頻度の低減に貢献しています。アダプティブフロントヘッドライトを搭載したマツダの車両では対物損害保険金請求が10%減少していることが報告されており、ボルボ、メルセデス、アキュラでもその新技術ヘッドライトのおかげで5%~9%の事故率の低下が報告されています。

頻度の減少が見られる中、保険会社の中にはバンパーに取り付けられているレーダーやソナーといった高価な技術部品の交換にかかるコストにより保険金額が上昇すると指摘しているものもあるかもしれません。しかし、このような問題は路上を走る新技術搭載車が増加するにつれ、軽度の衝突事故が発生しなくなるという理由から、比較的短期的な現象であると考えられます。

これらの変化は、それほど期間を置かずに、保険会社の業績への影響として現れてくるでしょう。対物損害および対人損害事故にかかわる保険金額の頻度と深刻度の減少は、最終的に自動車保険料引き下げを強いるものです。予測の数々が現実になった場合、自動運転自動車は、自動車所有を50%近く減少させ、これにより保険料の全体のパイがさらに減少すると考えられます。

新しい技術が、従来はドライバーのコントロール下にあった数多くの機能を取って替わるようになると、賠償責任はドライバーおよび自動車保険会社から、自動車メーカーや自動車部品メーカーへと移行します。それが現実になると保険会社の中でも役割の変化が考えられます。

保険業界は短期的には事故の頻度や深刻度が増加するときもあるでしょうが、これらの新技術は着実に速度を増して進歩しており、自動車の未来は保険会社に対して加速しながら迫ってきているのです。

 

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